(2008.8.31)
ディスカウントストア「ドン・キホーテ」のプライベートブランド「bis」シリーズのポータブルプレーヤをレビュー
1GBで3,980円
QMD-1770Bはドン・キホーテのプライベートブランド「bis」の中でもシンプル・低価格をテーマとした「Simbis」ブランドの製品。製造元はクイックサン。プライベートブランドでありながら製造元も表示される、いわゆる「ダブル・チョップ」の形態をとる製品である。
ハードウェアとしては、160×128ドットの1.8インチTFT液晶を搭載し、メモリ容量は1GBで、価格は3,980円。第1~2世代iPod nanoより面積は小さく、厚い。USB端子が搭載されており、PCに接続することでリムーバブルディスクとして認識される。
本機は、「シネマデジタルプレーヤ」を謳っており、動画再生に力を入れていることがうかがえる。動画機能を中心にレビューしていく。黒・白・ピンクの3種類の色があり、今回は黒を使用している。
シンプルな変換ソフトが付属
以前紹介したCreative ZENでは正常に再生される動画ファイルを作成するのに苦労したが、本機では「AVI Converter」という動画変換ツールが付属している。この手のポータブルプレーヤに付属しているソフトでは、ファイルの関連付けを勝手に変えたり、システムに常駐するなど独善的な動きをするものが多いが、このAVI Converterは動画ファイルを変換するだけの単純なものであり、かえって好感が持てる。このAVI Converterを起動すると、リスト風の画面が表示されるが、ドラッグ・アンド・ドロップでファイルを指定することはできず、画面左下の「変換ファイルを導入」という少し変な名前のボタンをクリックしてダイアログボックスを開き、元ファイルと保存先、さらに解像度とアスペクト比と圧縮品質を指定することになる。また、変換範囲を分単位で指定できる。解像度は複数の選択肢があるが、マニュアルにもあるように160×128ドットを指定しなければ本機では再生できない。
変換速度は、Core 2 Quad Q9450(2.66GHz)のPCで、24分30秒、8MbpsのMPEG2を高品質で変換したところ110秒(実時間の13分の1)で変換された。変換先のサイズが小さいこともあるが、まずまず軽快といえるだろう。
再生品質
AVI Converterで変換したファイルは次のような形式となる。
解像度 | 160×128ドット |
映像コーデック | XviD 1.1.0 |
フレームレート | 15fps |
映像ビットレート | 160kbps前後 |
音声サンプリングレート | 44.1kHz |
音声コーデック | MPEG1 Layer2 |
音声ビットレート | 96kbps CBR ステレオ |
AVI Converterで変換したファイルは途切れたりすることもなく正常に再生された。映像は解像度が低いため、字幕を読むのは難しい。音声はビットレートが低いため、AMラジオ程度の音質となる。フレームレートが低いためか、映像と音声のタイミングが若干ずれるように感じられる。
動画再生は常に横向きになり、操作ボタン部を右手で持って見ることになる。音楽再生時は縦向きでの使用となり、シークと音量調節に対するボタンの割り当てが90度回転することになる。
連続再生はできるが順番が…
動画再生の機能面では、同一フォルダ内のファイルを連続で再生することができる。これはCreative ZENではできなかったことであり、この点では優れている。また、シーク中に映像が動くのも、ZENではできない芸当だ。しかし、映像の末尾1秒程度が再生されずに次のファイルに進んでしまう。また、再生の順番はファイル名ではなく、本機にファイルを書き込んだ順となるようだ。これは、10年以上前の低価格プレーヤのような仕様であり、さすがにいただけない。
動画は一度再生と止めると停止した箇所から再開すること(レジューム再生)はできず、先頭からの再生となる。
その他
今回は動画再生機能を中心にレビューしたが、もちろん音楽の再生もできる。音楽再生の場合、一度電源を切って、再度電源を入れると最後に再生していたファイルの先頭から再生される。ただし、電源投入直後は常にモード選択画面が表示され、電源投入と同時に音楽の再生を開始することはできない。
また、FMラジオ・ボイスレコーダ・静止画閲覧・テキストファイル閲覧・ゲーム(テトリスのようなゲーム)が利用できる。また、エクスプローラ機能があり、本機で再生可能な全ファイルを表示させ選択するとそれぞれの種類のファイルを再生できる。
マニュアルにも記述があるが、FMラジオ機能の地域設定が日本になっておらず、セットアップ画面で日本に変更する必要がある。セットアップ画面ではこの他にバックライトの明るさなどを設定できる。
動画については解像度が低いため、具体的な用途が想定しづらいものの、3,980円という価格を考えればよくできているといえるだろう。
サンプル動画
20080831_qmd1770mb_160x128.avi 160×128ピクセル 16:9レターボックス 5.1MB
20080831_qmd1770mb_160x128_crop.avi 160×128ピクセル 4:3エッジクロップ 6.1MB