(2009/11/19)
2009 国際放送機器展
(Inter BEE 2009 : International Broadcast Equipment Exhibition 2009)
2009年11月18日~20日
幕張メッセ にて
3D制作、そして… – ソニー
10月に行われたCEATEC JAPANでは3D映像の家庭への投入を高らかに宣言していたソニーのブースでは予想通り3D映像の制作をメインに据えた展示を行っていた。しかし、サッカーをテーマにした3D制作ソリューションのプレゼンテーションでも技術的な説明はほとんどなく、とにかくソニーの3D映像を見てみてください、という感じだった。
それ以上のサプライズだったのが、説明員氏までもが「また新フォーマットかよ!」と自虐ネタを交えて紹介していた「NXCAM」である。このNXCAMというのは簡単に言えば業務用のAVCHDのことで、パナソニックのAVCCAMに対抗するものとなる。家庭用AVCHDと異なる点としてはリニアPCM音声のサポートなどがあるという。
参考出品されていたNXCAMのカムコーダー試作機は業務用HDV機のHVR-Z5Jをベースにしたものとのことで、オプションとして128GBのフラッシュメモリーユニットも投入されるという。
また、NXCAMではコストダウンも意識しており、価格帯もHDVとXDCAM EXの中間になるという。しかし、「低コストということならばSDカードに対応すればいいわけですが、そこはソニーグループということで。」(説明員氏談)
EDIUS ProとT2 – トムソン・カノープス
トムソン・カノープスのブースではEDIUS Pro 5による音楽PV制作とデジタルディスクレコーダーT2による撮って出し(収録しながら収録中の映像を送出すること)のプレゼンテーションが交互に行われていた。同社の製品ではEDIUS Neo 2 Boosterの出荷が始まったばかりだが、プレゼンテーションはなく、簡単な展示のみだった。
こんなところにJVC – メディアグローバルリンクス
メディアグローバルリンクスでは、学校や企業などの構内放送システムを日本の地上デジタル放送と同じISDB-Tでデジタル化するためのISDB-T自主放送装置MD2800/MD2900を展示していた。これはアナログコンポジットやSDI信号を入力するとISDB-T形式のRF信号を出力するもので、これを構内のアンテナ配線に流すことで、専用のセットトップボックスがなくても、市販の地上デジタル対応のテレビで視聴できる。
この装置は価格が数百万円するため、大規模施設向けのものであるが、ISDB-T信号を生成できるという点ではデジタルレコーダーのテストに使えそうである。アナログ受信機向けでは、家庭用の変調機が3万円程度で発売されており(マスプロ電工のVMD3Dなど)、今後デジタル向けにもこういう機器が安価に登場することが期待される。
また同ブースでは、今回のInter BEEには単独では出展していない日本ビクターの名前で、この自主放送装置にスイッチャー・書画カメラを組み合わせたシステムとしての提案が行われていた。そこでは、同社の業務用Blu-ray DiscレコーダーSR-HD1500もひっそりと展示されていた。
水のデジタルサイネージ? – イースペック
【動画】イースペックの水を使った表示装置
ホール8のプロライティング部門では、イースペックのブースで、水を使った表示システムが実演展示されていた。「ようこそ幕張メッセ」などと日本語も表示できていた。【2020.7.26】動画をMP4形式(1280×720ピクセル、4Mbps)に変更。
その他
池上通信機では去年同様GFシリーズの展示を行っていたが、これまでこのGFシリーズで協業し、ブースも隣同士に構えていた東芝が今回は出展していなかった(東芝ライテックがプロライティング部門に出展したのみ)。また前述のとおり、日本ビクターも単独の出展はなく、来場者数が過去最高となった昨年と比べるとややさびしいものとなった。
【リンク】Inter BEEのウェブサイト Inter BEE 2024|コンテンツビジネスとプロフェッショナルのためのメディア総合展示会 メディア&エンターテイメント業界のプロフェッショナル向けに特化したInter BEEは、コンテンツビジネスの最前線を探るメディア総合イベントです。業界のイノベーションとネットワーキングの場を提供します。 |