(2008/09/30)
CEATEC = Combined Exhibition of Advanced Technologies(最先端IT・エレクトロニクス総合展)
2008年9月30日~10月4日
千葉・幕張メッセ にて
ついに9月に突入
ここ数年CEATECは開催時期が徐々に早くなってきていたが、今年はついに初日が9月に突入した。
昨年はホール1からホール11までを使用する過去最大規模での開催だったが、今年は再びホール1からホール8まででの開催に戻った。次世代DVD競争も終結し、やや落ち着いた感じだった。
SEDがなくなり、HD DVDがなくなり、そして超解像が残った – 東芝
SEDがCEATECから姿を消し、今年はHD DVDも姿を消し、東芝ブースでは「超解像」いう言葉に代表される、既存DVDや地上デジタル放送の高画質化技術を中心とした展示となっていた。
「XDE」は「超解像」にあらず
東芝の高画質化技術には「超解像」と「XDE」の2つがあり、その違いが分かりにくかったが、今回の展示を通して、この2つの技術がまったく別のものであることが分かった。
「超解像」はディスプレイ側の技術
まず、1つめの「超解像」はテレビやノートPCなどディスプレイデバイス側に実装される技術だということ。そして、「超解像」は次のような原理で実行される。
- ディスプレイに入力された「フルHDではない信号」(1440×1080ピクセルの地上デジタル放送の映像や、720×480ピクセルのDVDの映像など。この映像をAとする)を1920×1080ピクセルのフルHDにアップコンバートする。この映像をBとする。
- Bを再度元の解像度にダウンコンバートする。この映像をCとする。
- CとAを比較して差分を検出する。
- その差分をBに反映させてB’とする。これが「超解像」の結果となる。
また、説明員によれば「超解像」は主に地上デジタル放送(1440×1080ピクセル)を対象としているということだった。デモも1440×1080ピクセルの映像を使って行われており、オンとオフを比べてもシャープネスが増したくらいにしか見えなかった。
「XDE」はプレーヤー側の技術
一方の「XDE」(eXtended Detail Enhancement)は、DVDプレーヤーなど映像信号を出力する側に実装される技術であり、アップコンバートを行った後にエッジ強調などを行い高精細化を実現するという。こちらはDVDを使ってデモが行われており、来場者がリモコンのXDEボタンによって自由にオン・オフして効果を確かめられるようになっていた。
また、市販のDVDパッケージソフトや放送を録画したDVD-VRに対しても有効であるとされており、デモを見た限りでも「超解像」よりも効果的であると感じた。ただし、XDEはHDMI出力に対してのみ機能し、アナログ出力には適用されない。
このXDEを搭載したDVDプレーヤー「SD-XDE1」は11月に、普通のDVDプレーヤーと同程度の価格で発売される予定であり、今後の展開が期待される。
東芝ブースでは他にPlayStation3のCPUとして知られる「Cell」を用いた「Cell TV」も展示されていたが、「超解像はCellによって実現されるものではない」とも強調されていた。
今度は一輪車 – 村田製作所
CEATECの人気ブースの1つ、村田製作所ブースでは自転車ロボットのムラタセイサク君のいとこの「ムラタセイコちゃん」がお披露目された。
ムラタセイコちゃんは一輪車ロボットで、ムラタセイサク君同様、立ったまま静止したり、対象物を追尾して前後進することができる。
松下電器産業最後の日 – パナソニック
松下電器産業は10月1日から社名を「パナソニック株式会社」に変更するが、初日の9月30日は社名変更前となるため、説明員らの名札には「松下電器産業(株)」と書かれていた。
ここだけさながらInterBEE – 日本ビクター
ケンウッドと経営統合し、10月1日から持ち株会社に移行するため、こちらも現体制が9月30日で最後となる日本ビクターブースでは、業務用機器の展示スペースで放送業務用液晶モニタ各機種が展示され、ここだけさながらInterBEE(国際放送機器展)のような感じになっており、昨年のInterBEEでの同社ブース(こちらのページ参照)よりも展示点数が多いほどだった。
【リンク】CEATEC JAPANのウェブサイト CEATEC 2024(シーテック)Toward Society 5.0 出展募集 公式サイト CEATEC 2024(シーテック)Toward Society 5.0 出展募集 公式サイトです |
CEATEC JAPAN 2007レポート
CEATEC JAPAN 2006レポート
CEATEC JAPAN 2005レポート