久々にChe-ez!シリーズを入手
DATE: 01/22/2005 10:43:55 PM
久しぶりにNHJのChe-ez!シリーズのデジタルカメラを入手した。
Movix、DV-4に次いで3台目となる。
機種は「Che-ez! v:u2」というもの。
前機種の「v:u」とDV-4を合わせたようなデザインになっている。
また、PanasonicのD-snap SV-AV100を短くしたような感じでもある。
ハローキティモデルがあり、そちらの方がメディアへの露出も多いようなので、それの普通版と言った方がわかりやすいかもしれない。
DV-4は専用充電池を使用しており、充電器(兼ACアダプタ)が同梱されていたが、v:u2はMovixと同様に乾電池駆動に戻り、ACアダプタも同梱されない(使用もできない)。が、ACアダプタがなくなることで、結果的にパッケージの小型化と低価格化を実現している。
これまでの機種と比べると、起動時間(短くなった)や、SDカードスロットの位置(電池蓋を開けなくても出し入れできるようになった)、メニュー画面(日本語を含む多言語表示になった)、質感(安っぽさが低減された)など細かい点を着実に改良してきているのが分かる。大手メーカーが入り乱れ激しい競争を繰り広げるデジカメ市場にあって、同シリーズはあまり目立たない存在ではあるが、もっと評価されていいようにも思う。
だが、市場の動きはむしろ逆で、NHJのデジカメ製品は今、着実に(という言い方は変であるが)店頭から姿を消しつつある。筆者も、Movix、DV-4は量販店で購入したものの、今回のv:u2は都心部の大型店にも展示がなく、結局ネット通販で購入した。Movixの後継機であるMovix3にしても大手スーパーのイオンの専売品となっている。いわばOEM品である。
筆者なりに理由を考えてみたが、同シリーズの大きな特徴である「安さ」がかえってあだとなっているのではないか、というところに至った。
デジカメ市場はピークは過ぎて飽和状態に入りつつあるとはいえ、まだ元気な市場ではある。店頭では、3万円・5万円といった製品やそれ以上の一眼レフ型なども売れている。
小売店からすれば、そのような状況下で、わざわざ売り場面積と販売コスト(店員の人件費など)をかけてまで、1万台前半(v:u2の実勢価格は約1万3千円)の商品を売ることにメリットを感じないことは想像に難くない。
それどころか、うまく勧めればその客が5万円の商品を買ってくれるかもしれない状況で、v:u2を見たばっかりに「これでいいじゃないか」ということになって、v:u2を買ってしまえば店にとっては、3万7千円の売上をみすみす逃すことになる。
こう考えると低価格のChe-ez!シリーズが店頭から姿を消しつつあることは不思議ではないことが分かる。同シリーズの数少ないライバルだった、アイ・オー・データ機器のMotionPixシリーズもいつの間にか姿を消している。
高機能化する携帯電話と小型化するモバイルPCに挟まれる形で、PDAがその地位を失いつつあるのと同様に、Che-ez!シリーズに代表される低価格デジカメもその存在理由が薄れてきているのであろう。
実際にNHJも現在ではデジカメよりも携帯型の音楽プレーヤやビデオプレーヤに力を入れてきている。そう考えると、v:u2あたりがメモリタイプの動画デジカメとしては、そろそろChe-ez!シリーズの最終形となるのかもしれない。
あとは、すでに発表されているDV-5(HDD搭載タイプのMPEG-4カメラ)発売をもって有終の美を飾る、ということになるのだろうか。
Che-ez!シリーズの1ファンとして展開を見届けたい。
NHJ
Che-ez!シリーズ
v:u2
【2005.1.29追記】 NHJからHDD搭載MPEG-4カメラ「DV-5」が正式に発表された。予想実売価格は59,800円だという。Che-ez!シリーズとしては格段に高価だが、本稿の内容に照らし合わせれば、量販店が店頭に置いて売る気になる価格である。ただ、テープ式DVカメラとエントリモデルと競合する価格帯でありながら光学ズームがないのは痛いのではないだろうか。
D’zign DV-5
http://www.dzign-camera.com/jp/dv5/index.html